命運は、メジャーも経験した元ドラフト1位右腕に託される。

 日本ハムは25日、都内のホテルでスカウト会議を開き、今日26日のドラフト会議に向けて、戦略をかためた。明言はしなかったが、早実・清宮の評価は揺るがず、1位入札が濃厚。抽選は、くじ引き5連敗中の栗山英樹監督(56)ではなく、木田優夫GM補佐(49)が務めることになった。「どうしても欲しい選手。全身全霊をかけていきます」と、意気込みを語った。

 “選手交代”を明かしたのは、栗山監督だった。会議を終え、報道陣の前に立つと「くじは引かせてもらえない。クビになったので」。本人は今年も意欲を示していたが、吉村GMは「データです」と“勝率”の悪さを理由に、ついに決断した。

 木田GM補佐は、早実の校舎がある国分寺市出身と縁もある。明石家さんまと20年来の親交があり、年末には必ず人気テレビ番組「明石家サンタ」に出演してきた、同GM補佐。この日のスカウト会議後には、勢いよく箱に手を入れて指をぶつける動作をしながら「『あっ、痛てっ』とかやったらウケるだろうなとは思うけど、そういうことはやっちゃいけない。(選手の)人生がかかっているものなので真面目にやりたい」。笑いは封印し、運命をたぐり寄せる。

 栗山監督も「あとは神の差配を待つだけ。僕が引く引かないではなく、必ずウチに入ってくれると思っている」。大谷は今オフ、ポスティングシステムを利用してメジャーに挑戦する意思を固めている。海を渡る球界の至宝と入れ替わりで、スーパースターの原石が導かれてくると信じている。【本間翼】