プロ野球創設期の名投手、故沢村栄治氏を記念した「沢村賞」の選考委員会が30日、都内で開かれ、巨人の菅野智之投手(28)が西武菊池雄星投手(26)との一騎打ちを制して、初選出された。

 沢村賞の選考基準は(1)15以上の勝利数(2)150以上の奪三振数(3)10以上の完投試合数(4)2・50以下の防御率(5)200イニング以上の投球回数(6)25以上の登板数(7)6割以上の勝率の7項目があり、菅野は菊池とともに(3)、(5)以外の5項目をクリアした。

 堀内恒夫選考委員長は「日本のプロ野球でNO・1の投手に贈られる賞。ここのところの沢村賞はベスト1のピッチャーを選ぼうということで協議している。今回は2人の選手の名前が出ました。菅野君と菊池君。2人も成績的には5項目クリアしています。その中でベスト1を選ぶ。いろいろな意見が出ましたが、ベスト1ということで、5人の選考委員は菅野君を選ばせていただきたいと決めました」と説明した。

 平松政次委員は「ダブル受賞は私が推しました」と、2人同時受賞の案も協議した。だが、最終的には堀内委員長が「セ・パ共通の最高記録が菅野君は2つある。防御率と勝利。残念ながら菊池君にはないんです」と話すように、菅野1人の受賞に決まった。

 菅野は今季25試合に登板し、17勝5敗、防御率1・59。

 菊池は26試合に登板し、16勝6敗、防御率1・97だった。