日本ハムの来季1軍野手総合コーチに、元巨人の緒方耕一氏(49=日刊スポーツ評論家)が就任することが30日、分かった。

 俊足巧打の両打ち打者として2度の盗塁王を獲得した同氏は、引退後も巨人でコーチを歴任。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも2大会連続でコーチを務めた。野球理論と指導力に定評があり、走攻守の野手部門全般を指導することに加え、ヘッド格として作戦面での期待もかかる。

 連覇を逃し再出発を図る日本ハムに、心強い参謀が加わる。「1軍野手総合」というポストを新たに設け、経験豊富な緒方氏に白羽の矢を立てた。現役時代からの武器である状況判断の正確さを教え込むだけでなく、プロの世界で生き抜く厳しさも植え付ける。ドラフト1位で入団が確実な早実・清宮幸太郎内野手(18)ら有望な野手が多く、若いチームを鍛え、上昇させるためにうってつけの存在といえる。

 現在は解説、評論活動を行っている。緒方氏と球団双方の状況、事情を考慮し、このタイミングで合意に至ったもよう。調整がつき次第、明日11月1日から始まる沖縄・国頭での秋季キャンプに合流する予定だ。

 ◆緒方耕一(おがた・こういち)1968年(昭43)9月2日、熊本県生まれ。熊本工時代に甲子園出場、86年ドラフト6位で巨人に入団。90、93年に盗塁王。12年間の現役で二塁、遊撃、外野を守り、94年西武との日本シリーズで満塁本塁打を放った。1軍通算成績は685試合、打率2割6分3厘、17本塁打、130打点。02、03年と06~10年に巨人でコーチ、09、13年WBCでは日本代表コーチを務めている。現役時代は175センチ、68キロ。右投げ両打ち。