初陣白星だ。ロッテ井口資仁監督(42)が就任後初戦となる台湾代表との親善試合に6-1で快勝した。今秋から課題に掲げる積極的な走塁を足がかりに、初回に3点を先制。4番に置いた井上も、3安打1本塁打4打点と期待に応えた。最下位チームの立て直しへ、手応えのある1勝となった。

 あえて、見ることに徹した。井口監督は「1回り目はサインは出さないでおこうと」。その1回り目に、取り組みの成果が出た。初回、先頭荻野が右前打を放つと、すぐに二盗を決め、相手先発のチェンを揺さぶった。そこから1死一、二塁となり、4番井上が先制3ラン。2回2死走者なしでは、中越え二塁打の平沢が三塁を狙った。惜しくもアウトになったが、「荻野には、どんどん走れと言っている。大河(平沢)も、アウトにはなったけど、チームとしてああいう走塁をやっていこうと課題にしている」と姿勢を褒めた。

 今季チーム盗塁数78はリーグ3位だが、物足りなさを感じている。就任してから「オープン戦が終わるまでに走って、グリーンライトを与えられる信頼を得て欲しい」と言ってきた。秋のこの時期の対外試合は貴重な機会。そこで結果が出たことが、うれしかった。

 もうひとつの課題、長打力不足にも光が差した。1本塁打を含む3安打4打点の井上に「4番のつもり。あとは結果を出すだけ」とハッパを掛けた。ウイニングボールを受け取ったが、「開幕でもらいます」とキッパリ。まだまだ、これから。チームを貪欲に強くする。【古川真弥】