西武が誇る「リンゴ・スター」こと外崎が、2戦連続の先制打で大会MVPに輝いた。「優勝できたことが本当にうれしい。こういう大会でこういう賞をもらって、少しだけど自信がついた。どんどん自分の色を出していきたい」とお立ち台で喜んだ。

 4回は無死一、二塁から右翼フェンス直撃の適時打で0-0の均衡を破った。「真っすぐをうまく打てた。必死に食らいついていった」。前日18日の台湾戦の先制弾も右越え。強い流し打ちの再現で打線に勇気を与えた。5回は1死満塁から左前適時打。大会通算4打点は山川、京田、上林と並んで打点王で、外野手のベストナインにも輝いた。

 青森・弘前市の実家は野球場1個分ほどの敷地を持つリンゴ農園。両親は家計が苦しい時期も、息子が大好きな野球の道を閉ざさなかった。外崎は幼少期から1個約400グラムのリンゴが詰まった箱を抱えることで腕っぷしを強くした。現在、実家は収穫期。父は多忙で上京できず、母公子さんは予選リーグ2試合だけ観戦した。外崎は「本当に忙しい時期ですけど、仕事を頑張りつつも応援してくれていたかなと思う」と感謝した。

 初の代表を終え、視線は前へ。「これにおごらず、来季またチームでいい結果を残したい。東京五輪に選ばれたら全力プレーしたい」と誓った。【大池和幸】