ソフトバンクナイン48人が25日、7月上旬の九州北部豪雨で被害が大きかった福岡・朝倉市、大分・日田市の5カ所に復興支援活動の一環として訪問した。大分県出身の今宮健太内野手(26)は日田市の戸山中学校を訪れ、子どもたちと笑顔で交流、今後も継続して支援を行うことを約束した。

 ずっと気になっていた豪雨被災地に今宮がようやく訪れた。「すごくみんな明るくて、思ったより元気だったので、ホッとしています。逆に僕たちが励まされた」と、無邪気な子どもたちの笑顔を見て喜んだ。今宮が訪れた戸山中学校には、豪雨後に土砂崩れで孤立し使用不可になった近隣の小野小学校の児童が合流。現在は小1~中3までが教室を仕切るなどして、授業を行っている。まだ、豪雨被害に遭ったままの場所も付近にはたくさん残り、復興までの道のりは長い。

 今宮は7月22日のロッテ戦で右翼フェンスの福岡銀行のイラストに打球を直撃させて獲得した賞金100万円を、被災地へすべて寄付していた。「そういうことは表だって言うことではないので」と、この日尋ねられるまで、明かすことはなかった。

 同じ大分でも、別府市出身の今宮にとって日田市は縁がなかった。だが、知人ができ、ここ数年は毎年12月に野球教室を行うなど思い入れも深まっていた土地だった。「すごく心配だった。これからもどういうサポートをしようかと考えないといけない立場。ホークスとしてもサポートしないと」と、今後も寄付や現地訪問などで支えていく考えだ。

 「日本一の報告ができてうれしい。弱かったら集まってくれないかもしれない。強いチームであり続けないといけない」と、プレーで勇気や元気を届けるためにも強さは必要だと力説した。福岡、九州のファンに支えられていることを実感し、来季も連覇で元気を届けることを誓った。【石橋隆雄】