野球もしゃべりも負けへんで~! 阪神ドラフト6位の啓新・牧丈一郎投手(18)が4日、新人入団発表に臨み、関西人らしくトークで会場を沸かせた。背番号66の感想を問われ、「ドラフト6位と金本監督の背番号6」と答えて指揮官のハートをわしづかみ。さらに日本ハムドラフト1位の早実・清宮幸太郎内野手(18)を「いわしたい」と関西弁でKO予告。猛虎に頼もしい“新ナニワのジョー”がやってきた。

 浴びるスポットライトに、無数のシャッター音。牧は背番号66について質問されると、笑顔で言った。

 牧 ドラフトも6位、金本監督の背番号も6。縁を感じています。

 これには、同席していた金本監督もピクッと反応した。「うまいこと、くっつけたな。高校生なのに」。美しくまとめた18歳の絶妙な自己紹介に目を細めた。

 京都生まれの京都育ちで生粋の関西人。会ってみたい有名人にダウンタウン松本人志を挙げるなど、お笑いにも関心がある。ノリツッコミやオチをつける環境で育ち、自然とトーク力を磨いてきた。注目の入団会見でも、つかみは完璧だった。もちろん本業の野球でも目立つ意気込みだ。場所を変えたファンミーティングでは、ライバル視する打者を問われ強気に答えた。

 牧 清宮世代と言われているので、(清宮を)1回いわしてやりたい。落ちる変化に弱いイメージがあるので、頭に入れながらストレートで押していきたい。

 関西弁も交えた清宮斬り宣言に100人の虎党は拍手喝采だ。清宮は高校通算最多の111本をマークし、7球団競合の末に日本ハムに1位入団した世代の象徴。一方で牧は故障に泣かされ甲子園にも出られなかった。それでも地道な鍛錬で力をつけ、最速152キロ右腕に成長。ボクシングの元WBC世界バンタム級王者、辰吉丈一郎にちなんだ名前を持つ男は、エリートに負けるつもりはない。

 牧 高校時代に目指していたあのマウンドで早く投げてみたい。才木さんのように(1年目の)終盤、1軍のマウンドで投げられるように頑張っていきたい。

 金本監督の6とドラフト6位を重ねた背番号66が、清宮を斬る。大きな夢を語れる、頼もしい新人が登場した。【山川智之】