福留が高山の「専属アドバイザー」になった。阪神福留孝介外野手(40)が8日、大阪市内で行われた「ミズノブランドアンバサダーズ・ミーティング」に出席した。

 自身はバット、グラブなど従来通りのもので41歳シーズンに臨む考えを示した一方で、チームの後輩高山には即席の熱血グラブ塾を開校。後輩用の新たなグラブまで発注した。

 珍しい光景だった。福留は高山のグラブを装着。何やら後輩に語り掛けた。「たまたま高山が隣にいたから。型の付け方であったり、重さだったり。今持っているものがすべてじゃない。自分が使いやすいというのが一番だし、どうやって見つけるか」(福留)。同じ外野手のかわいい後輩。自身の経験を隠すことなく伝えた。

 道具を大切にする名手ならではだ。福留のグラブは通常の600グラムよりも軽い560グラム~570グラム。試合で使うまで2年をかけて手になじませることもある。06年頃から福留を担当する同社グラブマイスターの岸本耕作氏(60)が「プロでもなかなかいない」と言うほどのこだわりだ。

 最後には高山のために福留が「もう少し軽くできますか?」と新たなグラブ製作をお願いした。高山も「使えるようになれば」と感謝。球界のスターが集まる特別な会議だったが、そんな場でも福留の存在感は抜群だった。【桝井聡】