メッセカーブでエースも奪取? 阪神秋山拓巳投手(26)が17日、来季目標に掲げる180イニング到達へ、カーブを究めることを宣言した。チーム勝ち頭となる12勝を挙げた今季でも、持ち球であるカーブの制球に不安があり、緊迫した展開で使いこなすことができなかった。メッセンジャーのようにカーブの精度を高め、制球力抜群の直球とのコンビネーションで、さらなるレベルアップを図るつもりだ。

 ストレート、カットボール、フォーク…。どれを取っても制球やキレは抜群だった秋山だが、泣きどころはカーブにあった。この日、兵庫・西宮市内の鳴尾浜球場で汗を流した右腕が打ち明けた。

 秋山 カーブが全然投げられなかった。余裕がある時しか使えなかった。使うのが怖かった。

 今季は自己最多の12勝を挙げるなど、先発ローテーションを守り抜いた。群を抜く制球力に空振りの取れるストレート。これが飛躍の一因だった。一方で直球を生かすカーブの精度が不安要素でもあった。コントロールが定まらず、ボールとなり、カウントを悪くしてしまう。空振りを取ろうと投じても見逃されるケースも多く見られた。直球をより生かすために放置するわけにはいかない。来季に向けてカーブを究める決意を言葉にした。

 秋山 他の球種より、順番を上げて使えるようにしたい。まずはキャッチボールでよくしたい。(メッセンジャーのカーブは)キレも違うので、そこは及ばない。空振りの取れる高さからしっかり投げたい。

 来季の開幕投手が内定しているメッセンジャーは直球とカーブの球速差が約40キロ。縦に大きく割れる緩球は、多くの強打者のタイミングを外し、てこずらせてきた。メッセンジャーに及ばずとも、ほうふつとさせるようなカーブを操ることができれば、秋山の勝ち星もさらに上積みされるに違いない。

 12月6日の契約更改の席で来季目標について「180イニング」と掲げた。今季は159回1/3だった。カーブの精度が上がれば、無駄球減少につながり、イニング数増にも結びつく。「メッセカーブ」にどこまで近づけるか。秋山が一回りも二回りも大きくなるためのオフを迎えている。【山川智之】