巨人阿部慎之助内野手(38)が新年の誓いとして“3感王”を掲げた。プロ18年目を迎えるベテランは「そうだな…。まずは『すっごいよ、一体感!』でしょ」と笑った。若者の間で人気急上昇中の現役サラリーマン集団リーマンマイクの決めぜりふ。「俺1人で頑張っても勝てない。金をもらっているやつがやらないと」と、年俸上位選手が額に似合った活躍でチームをけん引する責任があると強調した。

 主に4番に座った昨季、プロ通算2000安打に到達した。一方で15本塁打は物足りない数字だった。重きを置くのはシーズン通しての安定感だ。「長打もなかなか打とうと思っても簡単には打てない。コンスタントに結果、率を残すことを狙っていこうかなと思う」。好調な滑り出しを切ったが、終盤戦でバットが湿った教訓が残る。打率3割4分で首位打者を獲得した12年を思い起こす。

 一体感、安定感に続くのは安心感だ。「自分の売りは場数。周りに安心感を与えられれば」。昨季限りで相川が引退し、今季はチーム最年長として戦う。数々の修羅場を乗り越えた経験は何事にも代え難い武器になる。どっしり構えるベテランの存在が、ベンチに安心感を与える。

 新年は6日から米グアムで本格始動の予定。11年ぶりのBクラスから反撃を目指すシーズンが始まる。「とにかく必死に1つでも上に行けるようにやる」。生え抜きとしてチームを支えてきた大黒柱が“3感王”で「冠」を奪い返す。【桑原幹久】