ソフトバンク田中正義投手(23)が、日刊スポーツのインタビューに応じ、今季の先発ローテーション入りを誓った。5球団競合の末、ドラフト1位で入団。即戦力として期待されたが、17年は1軍で登板することはなかった。悔しいルーキーイヤーを振り返り、今季への強い思いを語った。【取材・構成=石橋隆雄】

 -16年ドラフト1位で1軍出場がなかったのは、高卒の西武今井と2人だけだった

 正義 情けない1年でしたね。自分は何をしているのかなって。キャンプ中に右肩に違和感が出た。ノースローにする前日からですね。5月に投げはじめて、6月に試合(6月23日3軍対社会人西部ガス)に投げて、また状態が落ちた。早く治さなきゃいけないと思うのに、状態が上がらない。焦りはありました。

 -気持ちを切り替えられたのか

 正義 今は切り替えようと思っても多分、無理。野球がまだ仕事になっていないので、どうやったら仕事できるかなって感じですね。この1年をムダにしてはいけない。

 -創価大の3学年先輩である石川が昨年1軍で8勝を挙げた

 正義 石川さんを超えないと、上にはいけない。(大学時代とは違い)球の強さはものすごいものがある。大きな変化球もある。僕は大学までの野球への取り組み方が、今この結果になっていると思う。

 -何が足りないのか

 正義 執念とか強さ。心も体も全部ですね。

 -今は右肩の負担が少ない投球フォームに変えている

 正義 まだですが、見えてはきている。

 -和田と一緒に自主トレを行う

 正義 和田さんは野球への姿勢やメンタリティーがすごい。体重移動や体の使い方を学びました。和田さんは(体重移動の)時間が長い。ダルビッシュさんや涌井さんも動画で体重移動の仕方を見ます。投球の一番大事なところ。

 -メジャーではサイ・ヤング賞3度の右腕、マックス・シャーザー(ナショナルズ)が好き

 正義 打者を圧倒する投球です。あこがれますね。今の自分が何を言っても…と、いうのはあります。直球が一番の武器であり、自信のあるところなので、誰にも負けたくない。目指すのはフォーシームらしいフォーシームですね。まずはそこを究めたい。

 -くせ球ではなくきれいな直球で打者を圧倒する。工藤監督は短いイニングからという考えもあるが

 正義 キャンプで監督の期待を上回るボール、結果を残したい。そして、先発ローテーションに入りたい。プロで1年間先発ローテーションを守り続けるということはとんでもないこと。それを10年続けられるのは本当に一握り中の一握りしかいない。巻き返すと決めてやらなければダメ。自信もあります。

 ◆田中正義(たなか・せいぎ)1994年(平6)7月19日、横浜市生まれ。小1から野球を始め投手。創価1年秋に外野手に転向し創価大で投手に再転向。3年時には大学日本代表。ユニバーシアード大会では初の金メダルに貢献した。16年ドラフト1位で入団。公式戦登板は2軍の1試合だけで3回2失点。3軍は7試合、10回1/3、8失点。最速156キロ。186センチ、90キロ。右投げ右打ち。