2年連続日本一に向け、ソフトバンク内川聖一内野手(35)が30日、工藤監督から今季のキャプテンに指名された。ヤフオクドーム内で行われた全体ミーティングで伝えられた。王貞治会長ら球団幹部も並ぶ前での“主将就任式”で、内川は「みんなと優勝したい」と所信表明した。内川主将は工藤監督就任1年目から4年連続。89年の福岡移転後では秋山(99~02年)、小久保(09~12年)に並ぶホークス最長となった。

 キャプテンは気持ちを引き締めて言った。「みんなと優勝したい。力足らずですがよろしくお願いします」。球団恒例の福岡・筥崎宮での必勝祈願を前にした全体ミーティング。工藤監督に促されて約160人のフロント、監督、コーチ、選手、スタッフと向き合った内川は「必勝」を誓った。

 工藤監督就任1年目から4年連続で、ユニホームに「C」をつけることになった。左胸に光るマークの重みは、内川自身が一番感じ取っている。「最後はみんなで優勝したい。ずっとそれまでの間をみんなと共有したい」。

 昨年は2年ぶりに日本一に輝いた。ホークスに移籍した11年以降では4度目の日本一だ。一方で、昨年はケガでシーズン2度の戦線離脱。もんもんとする日々が続いたのも事実だった。CSでの4本塁打、DeNAとの日本シリーズ第6戦(ヤフオクドーム)で放った奇跡の9回同点弾…。「チームのみんなに優勝してもらった。恩返しではないけど、とにかくそういう気持ちだった」。驚異的な活躍の裏には、シーズンを通してチームをけん引できなかった悔しさがにじみ出ていた。

 今年は違う。通算2000安打へあと25本としているが、個人成績はあくまで「通過点」だ。その先に見据えるのはVしかない。工藤監督からも「個人成績もあるだろうけど、とにかくチームをまとめてもらいたい」と背中を押された。

 筥崎宮での必勝祈願では寒風の中、参道を力強く歩み、ホークスの武運を祈った。「チームのためにしっかり頑張ります」。キャプテンは頂点までチームをけん引し続ける覚悟だ。【佐竹英治】