日本ハムのドラフト2位、西村天裕(たかひろ)投手(24=NTT東日本)が、野性味を解禁した。4日、2軍キャンプ地の沖縄・国頭で2度目のブルペン入り。「オリャー」「ウォー」と、ほえながら64球を投げ込み、帽子を飛ばすシーンもあった。「今日の僕が、本当の僕です。下半身に力が伝わっていたので、感触としては良かった」。本来の自分を取り戻した。

 愛称「ゴリ」が、本領発揮だ。小学時代でついたニックネームが、ゴリラを連想させる風貌から「ゴリ」。大学日本代表時に同部屋で、プロでもチームメートになった上原、吉田からも「ゴリ」と呼ばれている。自らも「野生児なので」と自覚する。

 実家は和歌山市の山奥にあり、周囲は田んぼが広がっている。帝京大進学で上京し、自らが野性的な環境で育ってきたことを実感した。ファンからはゴリラのキーホルダーをプレゼントされ、実力よりも一足先に愛嬌(あいきょう)あるルックスで人気が上昇している。

 この日は投球姿でも、野性味あふれた力強い姿を披露。変化球も交えた内容に、荒木2軍監督は「前回より全然良い。もっと上がってくるんだろうし、今日は良いものを見せてもらった」とうなった。ルーキーの1軍への登竜門となっている17日の紅白戦(国頭)に向け、今後は打撃投手などで対打者への感覚を養っていく。新人7選手で唯一の社会人出身者となる西村は「質では、他のルーキーには負けません」。即戦力右腕「ゴリ」が、弱肉強食のプロの世界をくぐり抜けていく。【田中彩友美】