指揮官絶賛の秋山撃ち! 阪神大山悠輔内野手(23)が4日、沖縄・宜野座キャンプのフリー打撃で、昨季チームトップ12勝の秋山から快音を連発した。初球の直球をとらえて左中間席まで運んだのをはじめ、27スイングで柵越え7本。安打性の当たりは5割近い13本を数えた。金本監督は「すごいねえ。バットの出が速い」と絶賛。大山は前日3日に岩貞から柵越え3本を記録しており、連日のローテ級撃ちだ。候補ひしめく二塁争いにあって、大山が評価を大きく上げた。

 秋山が投じた初球に、迷わずバットを出した。寒空の沖縄で、雲を切り裂くようなスイング。大山が真芯で捉えた打球は高く舞い上がり、観客席に座る虎党の視線も一斉に上がった。ボールは左中間席に着弾。その後も好打を連発した。合計27スイングで7発を含む安打性の当たり13本をマーク。今オフの練習の成果を存分に発揮した。

 左翼芝生席よりも、さらに上の防球ネットまで達する当たりもあった。ケージ裏で見守っていた金本監督も思わず口を大きく開け、驚きの表情だ。声を上ずらせて「スゴイねえ。後ろから見たら、バットの出が速い! ある程度、真ん中外あたりをイメージしても、パッとインサイドに来てもサッと出るもんね。これはうちのチームでは彼だけやね。教える前に勝手にできていた」。内角に差し込まれることなく、速く鋭くボールを捉えた最短距離のスイングを大絶賛した。

 大山は「球種が(直球と)分かっている中でなので」と謙遜したが、投手陣の中でも順調に仕上げている秋山が相手。しかも昨季チーム最多の12勝をマークしたエース格だ。手ごたえもつかんだ様子で「いい打球も何回かあった。そこは自信になりました」と話した。もちろん反省も忘れていない。「ボールの見極めだったり、タイミングだったり。あとは詰まった打球だったり。修正ではないですけど、慣れていかないといけない」と気を引き締めた。

 対戦後、秋山に苦笑いで声をかけられた。「シンプルに打ちすぎやろ」。秋山は対戦を振り返り「ストレートに強く、頼りになると思いました」ともコメント。大山は右腕の“アシスト”を自信につなげて、激戦の二塁争いに挑む。

 発奮材料もある。大山は3月に行われる侍ジャパン強化試合(オーストラリア戦)の日本代表候補としてリストアップされていることが分かった。今日5日の休日をはさんで、6日から始まる第2クールでは実戦がスタートする。「しっかりアピールするだけなので」。左手にグルグル巻きのテーピングが、定位置を狙う覚悟を物語る。前日3日には岩貞からアーチ3発。1軍ローテ級を連日、攻略した大山株はグングン高騰している。【真柴健】