正二塁手奪取へ、スピードを上げた。巨人吉川尚輝内野手(23)が9日、宮崎春季キャンプで行われた今季初の紅白戦で3打数3安打。見せ場は第1打席だった。1回無死走者なし。投手谷岡の126キロ変化球を左中間へ。中堅手が捕球に回り込める単打コースも「捕った姿勢でいけるかなと。積極的な走塁ができた」と一塁を蹴り、ギリギリのタイミングで二塁を陥れた。

 危機感が積極性を生む。プロ2年目、正二塁手候補としての期待は高い。「僕の立場はアピールしない。1日、1日を大事にしないと」。結果を残す重要性は分かっている。1歩間違えればアウトになるプレーだったが、井端内野守備走塁コーチは「よく走った。間一髪アウトになっても誰も文句を言わない。あれでセーフになると分かることが大事」とトライする姿勢をほめた。

 積み重ねも実を結びつつある。第3打席。引っ張って一、二塁間を破った。「今日みたいのは理想。守備の間を抜ける打球を打ちたい」と昨秋から「振る力」をテーマにスイング数を増やした成果が出た。スピードと力強さと挑む心。結果を残し続けて定位置を奪う。【島根純】