山形・酒田南出身の中日石垣雅海内野手(19)が11日、沖縄・読谷で行われている2軍キャンプでハッスルした。渡辺博幸2軍内野守備走塁コーチ(47)との守備練習では石垣自慢の“オヤジギャグ”がさく裂。プロ2年目を迎え、厳しいキャンプの中でも自分を貫く余裕が出てきた。その後のフリー打撃では打撃投手とマシン相手に52スイングで5本の柵越えをマーク。右の和製大砲として、まず2軍で定位置をつかみ取り、1軍昇格の足掛かりにする。

 プロ2年目で余裕が生まれた。守備練習で石垣は、上げてもらったトスを間髪入れずにネットへ10球連続で投げ込むと、肩で息をしながら自慢の“オヤジギャグ”を発射した。「心肺は心配ない!」。付きっきりで指導する渡辺コーチや、ペアを組む三ツ俣大樹内野手(25)は苦笑いしつつも、その場の空気は和んだ。背番号32は胸を張って、持論を展開した。

 石垣 余裕が出てきたし、練習メニューも分かってる。自分は若いんで、ちゃんとするところは気合入れてやって、元気出すところは、はっちゃけたい。真面目にやっても堅苦しい。メリハリを大事にしている。

 石垣が発したギャグに対して、渡辺コーチがツッコミを入れるのが毎度のパターンだ。厳しくも優しくも石垣と接していく中で、進化の証しを感じ取っていた。

 渡辺コーチ 今年は2年目で練習量が増えたけど、しっかりついてきている。今年にかける意気込みを彼の顔つきから感じる。厳しいキャンプの中にもユーモアは必要。石垣のギャグは、ウエルカムだよ。

 その後に行われたフリー打撃では、52スイング中5本の柵越えをマークした。「今は柵越えよりはタイミングの取り方を模索している。飛ばすのは大事だけど、本数は意識してない」。守備練習で笑いはとっても、打撃練習では笑顔は見せなかった。毎日、強化ティー打撃を課され、右の和製大砲候補の道を徐々に歩んでいる。「まずは2軍でフル出場するぐらいやらないと。今年からでも、1軍の試合には出たい」。走攻守に加え、“笑い”の4拍子をそろえた石垣が、新感覚のプロ野球選手になってみせる。【高橋洋平】