やっぱりウエポンが必要や! 阪神上本博紀内野手(31)が3日、ソフトバンク戦で18年1軍初実戦に臨み、いきなり2安打2盗塁と大暴れした。昨年11月に右足首を手術した影響で今春は2軍キャンプスタート。前日2日に1軍合流し、すぐさま結果を出してみせた。すでに開幕二塁は鳥谷で確定しているが、長いシーズンを見据えた上で、実力者の存在感は頼もしい限りだ。

 上本がたった1日で、いや、たった1打席だけで、1軍主要メンバーに返り咲いた。1番二塁で18年1軍初実戦へ。1回、ソフトバンクの剛腕バンデンハークの内角高め直球に詰まりながらも、遊撃後方に落とす。2番島田の初球にあっさり二盗に成功。1死二塁から今度は3番西岡の打席でフォームを盗み、楽々と三盗を決めてみせた。

 昨年11月に右足首を手術した。リハビリの延長線上で2軍高知キャンプスタートし、前日2日に1軍合流したばかり。患部の状態については「1日だけでは分かりませんけどね」と話すにとどめたが、誰がどう見ても文句なしのスピードだ。若虎が軒並みバンデンハークの直球に差し込まれる中、右腕からこの日チーム唯一の安打を記録。6回1死では左腕長谷川宙から一、二塁間を抜いた。

 いきなりの大暴れに、金本監督も脱帽するしかない。「しぶとく落とした安打とか、右に持っていったり。ちゃんと下で、ホンマにやってくれていた」。片岡ヘッド兼打撃コーチも「ずっと状態がいいね。さすがっていう感じやね」と絶賛した。指揮官は2日の練習後にも「スローイングも良くなっている」と目を丸くしていた。課題とされてきた二塁守備の評価も上昇中。開幕二塁の座は鳥谷に確定ランプがともっているとはいえ、上本のくせ者っぷりもやはり捨てがたい。

 昨季は5月の守備中に右足首を捻挫。慢性的な痛みと闘いながら、それでも125試合出場で打率2割8分4厘、9本塁打をマークした。今季は右足首の不安が消え、さらに重宝したくなるピースに違いない。指揮官は「開幕(二塁)はトリで行くと言っているけど、やっぱりトリも休みが必要になってくるし。これだけはどうなるか分からん」とうれしい悲鳴をあげる。

 試合後、厳しい表情のまま「その日その日でしっかりやるだけです」と強調した姿も頼もしい。やはり、冷静沈着な実力者抜きに、虎の1軍構成は考えられない。【佐井陽介】