右中間コンビが守備に戻ってくる。広島の丸佳浩外野手(28)と鈴木誠也外野手(23)が、10日からのヤクルト2連戦で今年初めて実戦守備に就く見通しとなった。丸は右肩の仕上がりが遅れ、鈴木は昨年の右足首手術の影響があって慎重を期していた。2人は5日、マツダスタジアムで休日返上。「3・30」の開幕に向けて着実に歩を進める。

 右中間の強力コンビが今年初めて試合で結成されそうだ。丸と鈴木が、今週末のヤクルト2連戦で守備に就く可能性が高まった。高ヘッドコーチは丸について「状態が上がっているのは確か。(守備の)メドになるのは土日かな。痛みではないから。調整の関係。無理ないようにやってきた」とのプランを披露。鈴木についても「同じくらいのタイミング。慎重に万全を期してやってきたからね」と明かした。

 丸は右肩の調整遅れを抱え、キャンプ序盤はキャッチボールも行っていなかった。少しずつ調整を重ね、現在はシートノックにも入っている。オープン戦3試合はすべて指名打者で出場。この日は休日返上で体を動かした。肩に関して「多少の浮き沈みがあった中で、悪化しないように(練習メニューを)考慮してもらっていた。これから実戦に入ってどうなるか。セ・リーグはDHがないからね。僕みたいな選手はしっかりと守れないと話にならない」。首脳陣に感謝しつつ、ペースアップを誓った。

 そして鈴木はオープン戦で代打から指名打者という流れが続いている。丸と同じくシートノックにも入っている。昨年8月に手術した右足首はまだ不安があるようで、実戦守備への意欲は丁寧に言葉を選んだ。

 「足の状態が良ければ出たい。開幕がすべてではない。そこを見ると焦りにつながる。普通に動けているが、まだ代打しか出ていない。あとはフルで出たらどうなるか」。この日は酸素カプセルにも入り、体の回復に努めた。ここまで周囲と十分に相談しながら、復帰プランを進めてきた。完治に近づくほど、より慎重に進めたい気持ちがある。

 今日6日の全体練習には侍ジャパン組の菊池、田中、西川が合流。役者がそろって開幕戦へのムードが高まる。離脱中の安部とバティスタの状況は気がかりだが、丸と鈴木の確実な上昇カーブはチームに朗報と言えそうだ。【大池和幸】