待ってろ、上原さん! 広島新井貴浩内野手(41)が9日、マツダスタジアムでの全体練習に参加。巨人入りが決まった上原浩治投手(42)との10年ぶり再戦を心待ちにした。1歳違いだが、98年のドラフト同期生。06年WBC日本代表ではチームメートだった。メジャー帰りの右腕を攻略し、リーグ3連覇につなげる。

 新井にとって、上原はかなりの難敵といったイメージが強いようだ。ともに大卒のプロ同期入団で、1年目から1軍出場。上原が新人で20勝する姿を間近で見てきた。かたやエース、かたや主砲として、互いに10年間も高いレベルでしのぎを削ってきた。

 「昔は何回も対戦して、何回もやられているからね。コントロールよし、キレよし。すべてがいいピッチャー。スーパーピッチャーだった」

 過去は91打数23安打(打率2割5分3厘)、6本塁打、12打点とほぼ互角。本塁打王となった05年の8月には、ソロ本塁打2発の2-1勝利で上原にプロ初の10敗目をなすりつけた。最後の対戦は新井が阪神へのFA移籍初年度となる08年。このシーズンは4打数2安打でともに二塁打を放っているが、全体的に抑えられた印象が残っている。

 上原が移籍後も、メジャーのダイジェスト番組などで登板を見る機会が多かったという。「(再戦は)楽しみではあると思う」と巨人復帰を歓迎する一方で、リーグ3連覇を目指すには攻略を避けて通れない。自然と警戒は強まる。

 この日も元気に全体練習に参加。午前中は内野ノックで一塁に入った。気温が低いことから、午後は他の野手と同じく室内で打撃。今日10日からのヤクルト2連戦に備えた。「河田さん、(石井)琢朗さんに会えるのは楽しみ」と昨年までカープ在籍だった2コーチとの再会も待ちわびた。

 新井と上原は40歳以上のいわば同世代。球界には数少ない存在となった。今シーズン、再戦すれば実に10年ぶりとなる。「(ともに)盛り上げたいという気持ちではない。自分は自分で一生懸命やるだけなので」と新井。名勝負の続編によって、自然と球場が沸き上がるはずだ。【大池和幸】