日本ハムは大敗で3年連続の開幕戦黒星スタートとなった。今季のストロングポイント、超重量打線が西武菊池に封じられた。

 2番に長距離砲の横尾、7番には昨季15本塁打の大田を据えた。難攻不落の左腕を相手に、栗山監督は開幕オーダーで今季の戦い方のメッセージを送った。「ごらんの通り。我々の特長を生かしていく。重量打線だと思うし」と、オープン戦で12球団トップの25本塁打の強打を前面に押し出した。ワンチャンスで1点、ではない。一気に複数得点を奪える可能性のある打線で挑み、この日は跳ね返された。

 先発ロドリゲスが3回途中8失点と乱れ、終盤勝負をもくろんだ試合プランも早々に崩れた。ただ、栗山監督は「普通にやったって面白くない」と、覚悟は決めている。チームとしては、近年では稀な攻撃力の高い戦力構成。たった1試合で、正誤を図れない力を秘める。「こっちは戦略を持って前に進むだけ。それが機能しなければ、こっちの責任だ」。腹を決めて、突っ走る心づもりだ。

 栗山監督は午前中、自宅のある栗山町で地元有志による出陣式に参加した。毎年恒例の儀式の中で、集まった町民の前で「必ず“しでかす”シーズンにします」と、宣言した。開幕前の順位予想ではBクラスが大半。ただ、周囲の予想を裏切る快進撃を“しでかす”気持ちを誰よりも持つ。「今日みたいな試合は申し訳ない。ただ、長いシーズン、最後に(敗戦を)生かせるかが勝負。生かせるように頑張ります」。狙うは頂点のみ。完敗スタートも、歓喜の秋を迎えれば、笑って振り返られる。覇権奪回を目指す18年シーズンは、始まったばかりだ。【木下大輔】

 ▼日本ハムがシーズン開幕戦で西武に2-11と大敗した。開幕戦ワースト失点は、04年の北海道移転後は11年の3-12西武(札幌ドーム)で、球団ワーストは東映時代の58年2-15南海(駒沢)。開幕戦2桁失点黒星は通算7試合目となった。