鉄人にささぐ2連勝-。広島が4番松山竜平外野手(32)の今季初猛打賞、4打点の活躍もあり、DeNAに大勝し、2夜続けての弔い星をささげた。今季最多16安打を放ち、今季初の2桁11得点を奪った。この日、都内では衣笠祥雄氏(享年71)の葬儀が行われたが、ナインは衣笠氏と遺族の意向に従い、参列はしなかった。選手はグラウンドに立ち続け、勝利を手向けとした。

 4番松山が打線をけん引した。1回1死一、二塁。2四死球と制球を乱した京山の浮いたチェンジアップを、左中間方向へはじき返し、先制の二塁打とした。2回は二塁ベースを直撃する中前打。さらに3回1死一、三塁では右中間へ2点二塁打だ。3イニング連続で打点を挙げた。前回6回途中まで無得点に抑えられた京山をわずか1回2/3でKOした。

 「休まなかった」衣笠氏とは違い、松山は「休ませられないように」と笑う。開幕から中軸として打線をけん引も、調子を落としたことで20日と22日はスタメンを外れた。「僕も全試合出たい思いは強かった。休みをもらわないように結果を出したい」。自身初の規定打席到達へ順調に打席を重ねながら、試合に出続ける難しさを痛感している。

 緒方監督は「野手に尽きる」と猛打をたたえた。鈴木の右足首負傷や3者連続被弾など、3連敗を喫した昨年8月24日以来の横浜でのDeNA3連戦。連夜の大勝で、苦い記憶も吹き飛ばした。【前原淳】