大学野球も「球春」を迎える。28日に開幕する北海道6大学の東農大北海道・三垣勝巳監督(37)が初陣に臨む。母校コーチを経て昨年12月就任。PL学園と三菱ふそう川崎で日本一を2度経験した「勝者の哲学」で春4連覇、初の日本一を狙う。

 東農大北海道は創立30周年の節目に、春4連覇を目指す。三垣監督の思いは、はるか上だ。「全国の決勝で、てっぺんに立つ。その景色を選手に見せてやりたい」と全国制覇を口にした。

 PL学園で副将を務めていた98年、夏甲子園の準々決勝で中日松坂擁する横浜に延長17回の死闘の末に敗れた。その後、三菱ふそう川崎で日本一を2度経験。強者の戦いが体に染みついている。「前打者が変化球をヒットにしたら、次打者は直球を狙う。確率を上げる方法を、自分で判断できる選手を育てたい」と理想を思い描く。

 3月の沖縄合宿で毎日のように練習試合を組んだ。昨年までベンチに頼っていた配球はバッテリーに任せた。左腕エース岡本直也(4年)は「最初は捕手と呼吸が合わない試合もあったけど、今は大丈夫」という。さらに打撃に関して、無死一塁からの犠打を減らした。稲村晃希主将(同)は「初めは混乱もあったが(強行で)一、三塁にできる確率が上がってきた」と手応えを口にする。

 大阪生まれで「生粋の阪神ファン」。ただ、19日阪神戦で7回2失点と好投した松坂の姿に「熱いものがこみあげた」という。「松坂世代の1人として恥じない野球を見せたい」。東農大北海道は「三垣流」で日本一をうかがう。【中島洋尚】