日本ハムのドラフト1位ルーキー清宮幸太郎内野手(18)が、プロ初スイングで初安打を放った。「6番指名打者」で2回2死走者なしの初打席、カウント1-1から外角高め直球を中堅フェンス直撃の二塁打とした。デビュー戦は3打数1安打で、敗戦も輝きを放った。

 日本ハム栗山監督は試合後、早口でまくし立てた。「みんなワクワクしただろ。これがプロ野球だろ」。清宮のプロ初安打の瞬間は、わき上がる喜びを抑えながら拍手でたたえていた。ベンチ内では、ルーキーの一挙手一投足に注目する先輩らの姿も指揮官の目に映っていた。

 スタンドのファンからは大きな期待感も手に取るように感じていた。「それは良かったけど、試合は負けた。それは、こっちの責任」。喜びは、胸の内に、そっとしまった。

 栗山監督は、ずっと待っていた。「オレが決めるんじゃない。野球の神様が決める。それを、待っている」。独特の表現で、清宮の1軍昇格のタイミングを、じっと見極めてきた。「このあたりかな」と考えていた「5・2デビュー」へ断を下した理由も「なんで、そうしたんですか? と聞かれても簡単に答えられない。相当、考えてきた」。最終的に4割男の近藤が故障し、チームも連敗したタイミングで起爆剤としての期待を込めて呼んだ。

 「体さえ元気なら、必ず打つから。待ってろ」。4月下旬、2軍で結果を出すたびに清宮の動向を質問する報道陣への答えは一貫していた。自ら神宮球場にも足を運んで視察するほど、打撃の才能の高さは知っている。限局性腹膜炎がなければ、開幕スタメンで起用することも考えていた。想定通りの実力があることは、清宮が一振りで証明してくれた。【木下大輔】