みちのく大学野球新入生企画の後編は、北東北の1部6チーム188人を特集する。富士大(岩手)は佐藤大雅捕手(北海)相原光星外野手(作新学院)山田利輝外野手(仙台育英)の「甲子園トリオ」がすでにスタメン入り。リーグタイ記録の9連覇に貢献する。【取材・構成=高橋洋平】

 8連覇中の富士大は「甲子園トリオ」がスタメンに名を連ねている。佐藤大は4番佐藤龍世内野手(4年=北海)を兄に持ち、八戸工大(青森)との開幕戦でいきなり「5番捕手」でデビュー。先発右腕の村上英(4年=宇都宮南)の1安打完封をアシストしたが「チャンスで回ってきたから、力が入った」と無安打に終わった打撃を反省。高2夏の甲子園で北海を準優勝に導いた強肩強打の捕手で、兄を追って富士大を選んだ。「高校の実績は過去のもの。試合に出れば1年生とか関係ない」と強気のプレーを見せる。

 左打ちの相原も佐藤大とともに「7番DH」で開幕スタメンを任され、2戦目に大学初安打をマークした。作新学院では積極性が売りの1番打者だった。「1年生からレギュラーを取ると決めて富士大に来た。高いレベルで切磋琢磨(せっさたくま)していきたい。自分のスタイルを貫く」。自慢の勝負強い打撃を発揮して、チームの勝利に貢献する。

 昨夏の甲子園で本塁打を放った山田は、リーグ4戦目の青森中央学院大戦で「7番DH」で大学初先発。1安打1盗塁とアピールした。4年後のプロ入りを実現するために「高いレベルに挑戦したかった。野球に集中できる環境」と富士大に進学した。仙台育英の同期には楽天西巻賢二内野手(19)がいる。「賢二と同じ舞台に立ってみたいし、負けられない。いい刺激になる」。逆方向の右にも打てる広角打法をさらに磨く。