4月11日のソフトバンク戦以来、約1カ月半ぶりのスタメンとなった日本ハム岡大海外野手(26)が、復活を印象づける一打を放った。楽天8回戦(札幌ドーム)の1回、2死満塁の絶好機に走者一掃の中越え適時二塁打を放った。2年連続で開幕1軍スタートを切るも、不調が続き2軍暮らし。今月11日に1軍復帰したばかりだった。3戦連続0封負けを阻止し、連敗を「2」で止める貴重な一打だった。

 絶好のチャンスに岡は燃えていた。4月11日ソフトバンク戦以来、今季4戦目の先発出場で迎えた初回2死満塁。立ち上がり不安定だった楽天の左腕塩見を捉えた。「スタメンで使っていただいた。チャンスで回ってきたのでなんとかしたかった」。カウント1-1からの3球目を豪快に振り抜いた。打球は中堅手オコエのはるか頭上を越え、フェンスを直撃。走者一掃の中越え二塁打に、本拠地3万1174人の観衆から大歓声を浴びた。

 ルーキーイヤーから期待されながら、なかなか結果を残せなかった。昨季は出場60試合、打率1割6分9厘と極度の不振にあえいだ。打席に入る前、スコアボードの自身の打率を見るたびに、チームに貢献できていないふがいなさを感じた。「数字を見るとダメなんです」と、球団関係者に漏らすほど精神的に追い込まれた。

 期する思いで迎えた今シーズン。2年連続で1軍スタートを切るも、4月13日に登録を抹消された。それでも「トレーニングはしっかりしてきた」と、2軍での生活をプラスに変えた。今月11日、1軍再昇格。前日19日、試合前の打撃練習では、札幌ドーム左翼席奥にある大型ビジョン下付近への大飛球を放つなど、状態の良さをアピールし続けた。「いつでも出られるように準備は出来ている」。スタメン出場を、虎視眈々(たんたん)と狙っていた。

 前日までチームは2試合連続の完封負け、打線も19イニング連続無得点。栗山監督は試合の流れを引き寄せた岡について「調子の良さはわかっていた。久しぶりに岡ちゃんらしい打球だった」と納得顔で振り返った。だが、当人にとっては、まだ今季3安打目にすぎない。「(去年から)悔しい気持ちが大きい。僕にとっては1打席1打席とても大事」。結果を残し続けることで、チームの空気を変える“起爆剤”になってみせる。【山崎純一】