フロックではなかった。中日山井大介投手(40)がまた快投だ。好調の日本ハム打線を6回3安打無失点に抑え、2勝目を挙げてチームの連敗を2で止めた。今季初登板だった前回の5月22日DeNA戦(横浜)では史上9人目の40歳代での完封勝利。2戦で計15回を投げて無失点と今や先発陣の救世主となっている。

 初回1死一、二塁で三塁福田が好守で併殺。「あれが全てと言ってもいい。あそこでバタバタすると1、2戦目の悪い流れを引きずってしまうところ」と感謝した。チームは前日まで2戦で計22失点しただけに大きかった。2回からはハマるとすごい山井モード。6回2死一、三塁で杉谷を左飛に打ち取るとガッツポーズで111球の力投を締めた。「(昨年まで日本ハムの)大野奨の配球を信じて自信を持って投げ込んだ。1イニング、1イニングを0点にと思って、それが続いている。いつか取られますよ」と笑顔で語った。

 山井の日本ハム戦といえば07年日本シリーズ第5戦。8回まで1人の走者も出さなかったが落合監督は9回に岩瀬を投入。史上初の継投による完全試合を達成し、日本一を決めた球史に残る一戦だ。2番手で登板し、無失点継投を再現した岩瀬は「お互い(近年は)ちゃんとやってないから久しぶりだね」と喜んだ。

 07年当時、投手コーチだった森監督は「おっさんが頑張ったな。3連敗しなくてよかった」とホッと一息。小笠原、柳ら若手が不振で2軍落ちする中、交流戦の2勝は吉見と山井。負ければ最下位転落の窮地をベテランが救った。【柏原誠】