オリックスのドラ5位ルーキー西村が、プロ初本塁打を放って絶好調のヤクルトを止めた。3回2死三塁。ヤクルト・ハフの1球目チェンジアップを空振りすると、2球目の同じ球種にしっかり合わせた。「絶対打ってやろうと思っていました。感触はあまり覚えていません」。舞い上がった打球は左翼席中段へ。決勝2ランになった。

 首脳陣の評価はうなぎ上りだ。5月29日に1軍初昇格。福良監督は「足もあって左にも強いという報告もあった」と、この試合も1番で起用した。社会人時代の15年には右肩を痛めて捕手から外野手に転向。再びマスクをかぶり勝負したい気持ちがあるが「出られるんだったらどこでも」。女手一つで育ててくれた母有希さん(46)はトラック運転手。小4で野球を始めた息子のためにネットを購入し、自宅の庭でのティー打撃につき合ってくれた。母の日には毎年カーネーションを送るという息子は、記念球を手にして「母親にプレゼントします」。チームは15年6月11日からヤクルト戦8連勝だ。【桝井聡】