オリックスが昨年5月以来、1年1カ月ぶりにAクラス3位に浮上した。1カ月ぶりに出場選手登録された中島宏之内野手(35)がタイムリー2本で打線をけん引。2試合連続の2桁安打で広島に3連勝。チャンスに強い中島が帰ってきた。「6番一塁」で先発。4回、1点を先制してなお1死一、二塁でフランスアの初球のスライダーを中前にはじき返した。6回1死二塁でも「またチャンスで回ってきたので『こらまた打たなアカン』と思った」と低い弾道で左越え二塁打。塁上の掃除屋の面目躍如だった。

 開幕1カ月半で打率1割5分8厘と低迷し、2軍調整に。「交流戦に合わせてほしい」と首脳陣に告げられ、2軍に合流した。実績あるベテランは、くさらなかった。打席を重ねる中で収穫があった。「2軍はデータがない知らない投手ばかり。打席に立ってみて、見えたら打つという感じでやっていた。試合の中で変化球がどうか、とか」

 早朝に起床して福岡から当日移動。相手のフランスアはテークバックが小さく、タイミングが取りづらいと報告があったが、しっかり対応した。「これからどういう起用になるか分からないけど出たところで打ちたい」。チームへの貢献にこだわる姿勢を見せた。

 福良監督の思いきった「猫の目打線」もはまっている。前夜6打点のT-岡田を外してまで右打者8人を並べた。「今日も打線が活発でしたね。今日出た人たちが頑張ってくれた」。投打がかみ合ったオリックスが混戦パ・リーグで存在感を増してきた。【柏原誠】