ようやく勝った。楽天が13連敗中だった西武菊池を攻略し、16年5月12日以来の白星を手にした。攻略ポイントを絞った打線が初回に先制し、4回には6本の長短打を集中し、5得点。見事に天敵を打ち崩した。投げては先発の塩見が6回途中まで無安打投球。投打ががっちりとかみ合い、首位を相手に大勝した。

 とどめは、田中の1発だった。3点差とした4回2死二塁。菊池の高め146キロ直球を左中間スタンドの中段へぶち込んだ。この回、2死から5連打で一気に5点を追加。計10安打6得点のゴールラッシュで、相手エースを5回でKOした。平石監督代行は「大きいですね。悔しさもあったと思う」とかみしめた。

 やっと勝てた。屈辱の13連敗。16年5月12日を最後に、菊池から勝利を挙げられていなかった。前回対戦(5月4日)では5得点を奪ったが、勝ちを逃した。迎えた一戦。チームとしての決まり事は「右打者は外の高い、甘めの球。左打者は近め」。大まかな枠を絞る中で、球種、カウントは打者に任せた。

 ハマった。1点リードの4回。先頭銀次は内角150キロ直球をしばいた。2死一塁としたが、ペゲーロ、嶋はともに初球を捉えた。「ファーストストライクは積極的に打ちにいく」は、シーズンスタートから徹底していること。狙いと基本が融合し、天敵退治に効果的だった。

 初回は足が生きた。出塁した先頭の田中が、次打者の茂木の場面で何度も偽走。二盗を成功させ、左飛の間に三塁まで進塁。3番島内の犠飛で先制のホームを踏んだ。同代行は「いいピッチャー。じっとしていても点が入らない。そのプランもあった」と狙い通りだった。

 長かった。同代行は「凡打でも、あっさり終わらない。そういうところが良かった」。完璧に攻略してみせた。【栗田尚樹】