広島は3年連続首位で折り返した。11日までの阪神3連戦は豪雨災害のため中止となり、この日はジョンソンや九里らが登板したシート打撃などを行った。後半戦初戦まで7日間実戦から遠ざかるため、実戦形式で実戦勘を養った。

 首位ターンも、前半戦は苦しい戦いだった。鈴木や丸ら主力の離脱が相次ぎ、投手陣は不安定な投球を続けた。それでも野間が台頭、アドゥワや高橋昂ら若い力が躍動した。緒方監督は「昨年の秋から新しい戦力が1人でも2人でも、という思いで鍛えてきたのが、実になってきた」と戦力の底上げに手応えを得た。後半戦を前に戦力は整いつつあるが「いろんな不測の事態もあると思う。これから本当に厳しい戦いが待っている」と手綱を締める。

 広島は記録的な豪雨災害に見舞われた。「言葉にならないというか、非常につらく思う」。沈痛な面持ちの指揮官は「何の力にもなれなくて申し訳なく思う。微力ながらできることは、このグラウンドで精いっぱい頑張って、少しでも明るいニュースを届けることしかない」。後半戦の戦いが少しでも復興の光となることを願うとともに、球団初の3連覇を心に誓った。【前原淳】