球宴MVPでブレークだ。阪神藤本敦士2軍内野守備走塁コーチ(40)が、今日12日にフレッシュ球宴(弘前)に出場するドラフト3位の熊谷敬宥内野手(22)に激熱エールを送った。

 「特別な試合だから、そこでも活躍してほしい。今やっている野球、自分のスタイルを披露する場所。ファンにも『熊谷』という名前を覚えてもらえて、今後につながるようにしてほしいね」

 藤本コーチは球界でも過去に4人しかいない“1&2軍の球宴MVP男”だ。02年フレッシュ球宴でMVPを受賞すると、翌03年からレギュラーに定着。127試合に出場して打率3割1厘をマークし、18年ぶりのリーグ優勝に導いた。さらに06年のオールスターでもMVPを獲得し“ダブル受賞”を果たした。当時を振り返り「もちろん、覚えていますよ。何か賞を取るというのは自信になる。一生、残るのもだからね」とブレークの原点だったと明かした。

 伝え聞いた快足自慢の熊谷は「盗塁でMVPを取れたらと思う。4盗塁を目指して隙あらば(MVP)狙っていきたいと思います」と宣言。「藤本コーチには野球だけでなく、人としても成長させてもらっています」。ドラフト3位で入団し、みっちりと春季キャンプから鍛え上げられた。2軍でリーグトップの20盗塁をマークして、1軍の舞台も経験。阪神選手がフレッシュ球宴でMVPを取れば12年の中谷以来。熊谷が育ててもらった藤本コーチの金言を胸に、青森で大暴れする。【真柴健】