松坂が今日13日、12年ぶりに夢舞台へ帰ってくる。「マイナビオールスター2018」第1戦(京セラドーム大阪)の全セ先発は、ファン投票で選出された中日松坂大輔投手(37)だ。「直球勝負」を宣言した右腕は、14日の第2戦(リブワーク藤崎台)では代打出場も検討されている。西日本豪雨の被災者への思いも胸に、平成の怪物が、平成ラストの球宴で大暴れする。

 松坂が、06年以来となる球宴マウンドを目前に言い切った。

 「直球勝負で」

 ただ、12年前の西武時代と、日本球界復帰4年目で復活ロードを歩んでいる現在とは、スタイルの違いがある。返す刀で、ちゃめっ気たっぷりの一言を付け加えた。

 「僕の真っすぐは動きますけどね」

 全盛期の150キロ超えの直球はない。それでも、140キロ台の直球はツーシーム、フォーシームを織り交ぜ、手元で微妙に動く。今季7試合に登板し、3勝3敗、防御率2・41。得点圏での被打率はわずか1割1分6厘。投球術、勝負強さでファンを魅了し、セ・リーグ先発投手部門で最多得票。6月17日に背中を捻挫し、西武戦の登板を回避した右腕はその後、回復に努めてきた。いよいよ復帰のときが来る。

 「ブルペンで何回か投げただけで不安はあるけど、しっかり投げられるところを見せたい」

 被災者への思いを背負い、腕を振る決意だ。16年の熊本地震を経験。被災したリブワーク藤崎台には1000万円を寄付している。今回の西日本豪雨の被災者にも気遣いを見せる。

 「球宴というお祭りのようなイベントだけど、少しでも気持ちが明るくなる人がいてくれたら。少しでも笑顔になってくれたらいいなと思う」

 夢舞台は2部構成になりそうだ。松坂が打者での出場にも意欲を示しているという話を振られた全セの指揮を執る広島緒方監督は、熊本での第2戦(14日)で代打起用を検討する姿勢をみせた。松坂は言う。

 「(打席に)立ってみるかと言われたら、喜んで」

 シーズン中、試合前練習後に室内でマシン相手の打撃練習も欠かさない。実現すればどんな打球を飛ばすだろうか。平成最後の球宴の主役は「平成の怪物」がふさわしい。【伊東大介】

 ◆松坂のオールスター 西武では99年から06年までの8年間、すべてメンバーに選ばれ、そのうち6度はファン投票選出(02、03年は故障のため辞退)。04年(1)戦(ナゴヤドーム)では3回から登板し、2回を被安打0、4奪三振に抑え、初勝利を挙げMVPに選ばれた。通算6試合で1勝3敗、防御率9・00。