静岡裾野がタイブレークの末に、武蔵府中を下して、11年に優勝して以来の決勝進出を決めた。この日からU-15日本代表に合流するためチームを離脱する予定だったエースで主将の木本圭一(3年)が、試合開始時間が1時間早まったため、途中交代することで急きょ3番二塁で先発。初回に4点を先制されたが、1、3回に木本の適時打などで2点ずつを入れて追いついた。

 2回からマウンドに上がった2年生の土屋大翔(ひろと)が「流れを変えようと思い切って代えた。この大会初登板だったんですけど、大舞台でこんなにいい投球をしてくれるとは」と、松川良監督もびっくりの好投をみせた。ベンチ内には3回で退いた木本の背番号1のユニホームがかけられ、5回にいったん勝ち越し。しかし、6回に追いつかれて1死満塁から行うタイブレークに入った。そこで2年生の北嶋優希哉(ゆきや)の適時打などで一挙6点を挙げて試合を決めた。7回を1失点に抑えて勝利に貢献した土屋は「メチャ緊張しました。大黒柱の木本さんがいなくなって不安だったけど周りから声をかけてもらった。ストレートがよかった」と笑顔を見せた。松川監督は「最後にビッグイニングをつくったのはチームの力。2年生が頑張った。決勝でも1球1打、思い切ってやらせたい」と、7年ぶりの優勝を目指す。