楽天野球団が14年に所属したザッカリー・ラッツ元選手(32)を相手取り、仙台地裁に提訴していたことが6日、分かった。元選手が球団に損害賠償を求め、米国で裁判を起こしたことへの対抗措置として球団に賠償責任がないことの確認を求める。9月5日に第1回口頭弁論が予定されている。

 ラッツ元選手は14年6月に入団したが、右手指骨折の故障などで15試合の出場にとどまった。元選手側は15年シーズンに向けた契約交渉で「治療を理由に、球団の許可なく米国に帰国できる」などの特別規定を要求。球団はけがからの回復が不十分と判断し、15年は契約を結ばなかった。

 退団後に韓国などでプレーした元選手は昨年8月「楽天が交渉期間中に保留者名簿から除外しなかったため、他球団と交渉できなかった」などと主張し、米ペンシルベニア州連邦地裁に提訴。楽天側は「不法行為を根拠付ける事実は存在しない」として昨年11月、債務不存在を確認するため仙台地裁に提訴した。