引き分け寸前の12回裏1死一塁。楽天茂木がひと振りで決めた。1ボールから西武斉藤大の内角低めスライダーを強振。打球は右翼スタンドに飛び込む、自身初のサヨナラ打となった。平石監督代行も「負けるよりは引き分けと思ってたんですが、あんなすごい当たりが出て。連敗していただけに本当に良かった」ともろ手をあげて喜んだ。

 今季はこの試合まで打率2割4分3厘と低迷。昨年11月にクリーニング手術を受けた右肘をはじめ、コンディション不良で理想のスイングができないことも多かった。それでもスタメンで起用され続けたことを意気に感じ、結果で応えた。「体の状態が悪い中で試合に出させてもらっているので(首脳陣から)気持ちだけは強く持って試合に出てくれと言われていた。今日は勝ちにつながる1本が打てて本当に良かった」とホッとした様子で話した。

 斉藤大は桐蔭学園の後輩で、特徴も分かっていた。「高校時代は頼もしい後輩で。大学に行って敵になって、ずっと苦しめられてきて。プロになって先輩の意地を結果で出せたのは良かった」。先輩の面目を保ち、笑顔を見せた。【千葉修宏】