日本ハムは打線が振るわず、2連敗となった。ロッテ投手陣から内野ゴロの間に1点しか奪えなかった。8月は1試合平均3・1点。3~7月の平均4・5点から1点以上も下回る。勝負の夏場に攻撃陣が苦しむ現状を打破しなければ、覇権奪回は見えてこない。大逆転勝利を果たした首位西武とは、今季最大タイの6ゲーム差となった。踏ん張りどころだ。

 2点を追う最終9回2死一、三塁。アルシアはロッテ守護神の内が投じた144キロ直球を、右翼へ角度良く、打ち上げた。逆転サヨナラ3ランを期待したファンの大歓声も、打席から打球を見つめたアルシアは視線を落とした。飛球が右翼手の平沢のグラブに収まった瞬間、栗山監督は帽子を取ってグラウンドに一礼。大きなため息に包まれた札幌ドームを背に、すぐさまベンチ裏へ引き揚げた。「何とか点を取るために、こっちも必死にいろいろ考えているけど、結果的に点が取れていないのは自分の責任」と、振り返った。

 勝負の夏場を迎えたが、打線に元気がない。8月は1試合平均3・1点で、3~7月の平均から1点以上も下回っている。最近10試合では2・6点。この日も8安打を放ち、相手先発の有吉から4四球ももらった中で、決定打が飛び出ない。打開策も、すぐに結果につながらない苦しさがある。12日ソフトバンク戦からチームトップの打率を残す近藤を1番に据えた。8月好調のアルシアを3番、実績十分で勝負強さのある田中賢を6番に置く新打線で臨むも連敗。今季の売りの1つである重量打線が機能しなければ、やはり試合展開は重くなる。

 打線が夏休み状態の中で、パ・リーグの覇権を争う西武はこの日、6点ビハインドをはね返す大逆転勝利を飾った。一時はゲーム差なしまで詰め寄ったライバルに、気がつけば今季最大タイの6ゲーム差と大きく水をあけられた。主将の中田は野手陣を代表して言った。「ここで何とか踏ん張っていかないといけない。投手陣に頑張らせてばかり。野手陣は助けないといけない。もう1回、気持ちを入れ直してやりたい」。下を向いてはいられない。【木下大輔】

 ▼日本ハム打線はロッテ4人の投手陣から8安打で1点しか奪えず、連敗を喫した。ここ10試合平均7・8安打で2・6得点。今季平均8・3安打、4・3得点と比べ、迫力不足は否めない。