日本の夏、松坂の夏-。中日松坂大輔投手(37)が16日、DeNA20回戦(ナゴヤドーム)に中14日で先発し、今季5勝目を挙げた。横浜高の後輩がスタメンに4人並んだ打線に毎回奪三振の6回5安打3失点。20年前、夏の甲子園を熱くした男は8月にめっぽう強く、変わらぬ夏男ぶりを発揮した。

 100回記念の甲子園大会で盛り上がる真夏。それに合わせたかのように、松坂が帰ってきた。1日の阪神戦以来となるマウンドに、本拠地は3万5868人で埋まった。中14日。万全の態勢でDeNA戦に臨んだ。

 98年夏の甲子園決勝で史上初のノーヒットノーランを達成するなど、平成の怪物として注目を浴びたのは8月。プロ入り後も、登板前までの8月は通算19勝7敗、勝率7割3分1厘と得意にしている。勝利数こそ5月の22勝が最多だが、勝率は8月が最高。続く7月が7割2分と、夏男だ。

 DeNAはスタメンに横浜高出身者を並べた。荒波、石川、筒香、倉本の後輩4人。初回、先頭の荒波に四球を許したが、石川を二ゴロに打ち取り、2死から筒香を138キロのカットボールで空振り三振に打ち取った。「同じ高校の出身なので、ちょっとは気持ちの面で違いがあるのかな」。先輩の意地を見せた。

 母校は夏の甲子園で3回戦を突破した。「優勝して欲しいと見ている」。後輩たちの姿を糧に、甲子園を沸かせたあの頃のように、ベテランは腕を振り続けた。毎回三振を奪い、6回まで3失点で踏ん張った。打線は、サイクル安打を達成した平田の先頭打者アーチに始まり、松坂がマウンドにいた6回まで毎回の11得点。大量援護をもらい「早い回であれだけ点を取ってくれたので投げやすかった。状態は良くなかったんですけど。野手の方に感謝したい」と頭を下げた。

 自身4連勝で今季5勝目。チームは2連勝で今カード勝ち越しに成功した。20年前、日本の夏を熱くした怪物は、37歳になっても頼れる男だ。【伊東大介】