ヤクルト山田哲が2試合連続本塁打で「トリプルスリー」達成条件の1つをクリアした。1回2死、DeNA浜口のチェンジアップを引きつけて強振し、左翼席へ30号ソロ。「緩い球も頭にあった。上体を前に出されることなく、しっかりためて打てた」と話しつつも、3連敗での3位転落に表情は硬かった。

蓄積する疲労とも闘っている。昨季は全試合フルイニング出場し、今季も欠場は2試合のみ。しかも前夜は広島に9回逆転サヨナラ負けを喫し、数時間後には早朝の新幹線に乗車。約4時間座りっぱなしで帰京後に試合と、心身とも疲労の色は濃くなる一方だった。

この日はチームが疲労軽減策を講じた。バレンティン、坂口とともに打撃練習は免除。試合前のシートノックは全選手が今季初めて行わず、試合前のアップ開始時間を15分遅くして体を休ませる時間を増やした。集中力を高め、1打席目に30号の大台に乗せた。

24日終了時で、打率3割2分で28盗塁。30盗塁をクリアすれば3度目の偉業達成はほぼ決定的になるが、「(30本塁打は)うれしいですけど、まだまだあるので」と引き締めた。トリプルスリーだけでなく、クライマックスシリーズ進出を決めるべく、心技体に気を配り続ける。【浜本卓也】

▼山田哲が1回に本塁打を放ち、15、16年に次いで自身3度目のシーズン30号。二塁手でシーズン30本塁打を3度は、シピン(大洋)が73、75、76年に記録して以来2人目。日本人では落合(ロッテ)が81、82年に記録した2度を上回る最多となった。