2試合連続で「復活組」の力投が勝利を呼び込んだ。今季4度目の先発となったヤクルト山中が、2カ月ぶりの1軍マウンドで持ち味を発揮した。アンダースローから約30キロの緩急をつけた投球で、阪神打線を翻弄(ほんろう)。7回1/3を1失点(自責0)で、前夜に3年ぶり勝利の古野に続き、昨年8月8日DeNA戦以来の白星で5連勝に貢献した。「抑えてやろうという気持ちしかなかった。持ち味を出せた」とほおを緩めた。

苦しい状況を補えるのが今季のヤクルトの強さだ。先発の一角を担う原がコンディション不良で2軍調整中。先発が2人足らない状況で、2日続けて抜てき右腕が結果を残した。中継ぎ陣も近藤が59試合に登板と疲労困憊(こんぱい)。そんなセットアッパーの負担を、この日は若武者が救った。2-1の8回1死一、三塁、代打福留という分岐点で、19歳の梅野がマウンドに上がった。福留の四球後、150キロ前後の直球を投げ込み、糸井とナバーロを抑えた。「絶対に失点しないように全力で向かっていった。実感としてやりがいがある。しびれました」と声を弾ませた。

ローテの谷間をしっかり埋めての5連勝。小川監督は「非常に大きい。そういう投手で勝ちが付けば連勝が可能になってくる。今日は山中に尽きる。梅野も場数を踏んで自信をつけていってくれれば」と、うなずいた。古野に続き山中も登録抹消となるが、来週の先発には原や3年目左腕の高橋らが候補に挙がる。一枚岩で終盤の勝負どころを戦い抜く。【浜本卓也】