関甲新学生野球秋季1部リーグが今日1日、開幕する。新潟医療福祉大は第1節(1、2日)、関東学園大と対戦。ドラフト候補の最速151キロ右腕・漆原大晟投手(4年、新潟明訓)が集大成のマウンドに立つ。春季リーグは6位で、2部との入れ替え戦に回る苦闘だった。学生最後のシーズン、自身が引っ張り、目標の2位以内を達成するとともに、プロ入りへの道筋をつける。

ポーカーフェースで投球動作に入った漆原が、リリースの瞬間、歯を食いしばってボールを放る。開幕2日前の8月30日は50球の投げ込みをした。前日31日は軽めの調整。「手ごたえは悪くない」。初戦に合わせて順調に仕上がった。

春季の雪辱が秋季のテーマだ。春は山梨学院大戦で自己最速の151キロをマークした。ただ、チームの成績は4勝9敗で6位。2部との入れ替え戦を制して1部に残留した。個人成績は3勝3敗、防御率3・83。「点差に余裕があるときは抑えたが、チームが苦しいときに抑えられなかった」。かみ合わせの悪さが歯がゆかった。

秋に向けて、重視したのはマウンド上のメンタル。「ヒットを打たれてもすぐに切り替える。失点しても尾を引かない」。投球練習では常に打者と対峙(たいじ)するイメージで投げ込んだ。勝負球の直球の質にもこだわる。三振、凡打に打ち取るだけでなく「当てられても打ち損じ、ファウルにさせる」。速さだけでなく、切れ味の鋭さを求めてきた。

入学時から将来のドラフト候補として注目されていた。今年は春先から複数球団が視察に訪れた。プロ入りに目標を定めていることに変わりはない。ただ、「今はシーズンに集中する」。プロ志望届の提出も「まだ考えていない」ときっぱり。それだけ秋季の成績にこだわっている。

「2位以内に入れば、関東地区選手権に出場できる。まずそこが目標。個人的には1つでも多く勝つ」。最後に結果を出すことがプロ入りへの自信と評価につながる。【斎藤慎一郎】

◆漆原大晟(うるしばら・たいせい)1996年(平8)9月10日生まれ、燕市出身。粟生津小2年で野球を始める。吉田中では三条シニアに所属し、3年のときに全国リトルシニア選手権に出場。新潟明訓に進み、1年の夏に全国高校野球選手権に出場。新潟医療福祉大では、1年の秋季リーグ関東学園大戦で1試合の連続奪三振リーグ新記録の11奪三振をマーク。181センチ、78キロ。右投げ左打ち。