マエケン以来だ! 広島アドゥワ誠投手(19)が、ヤクルト戦で5勝目を挙げた。2番手で自己最長3回1/3を無失点の好投。チーム3度目の6連勝に貢献した。高卒2年目での5勝は、球団では08年前田健太(現ドジャース)以来4人目。優勝マジックはまたも2つ減って「13」となった。

アドゥワは勝利のハイタッチの列で、堂林からウイニングボールを受け取った。球団の高卒2年目では、08年前田以来となる5勝目。すべて中継ぎで挙げた。「たまたまです。おこぼれをもらっているだけ」と謙遜するが、今や欠かせない戦力に成長した。

「入りは良くなかった。少し体が突っ込んでいたので、それだけ修正した。試合中にあまり多くはできないので。球の高さが高くなかっただけ良かった」

試合を落ち着かせた。打線は3回まで7得点。だがその裏に先発戸田が突然、乱れた。投手大下から3者連続四球と2者連続適時打で3失点。アドゥワは2死一、二塁からマウンドへ向かい、西浦を外角直球で中飛に打ち取った。

その後もストライクを積極的に投げ込み、計10個のアウトをわずか33球で奪った。3回1/3は自己最長だが「2、3回とかは変わらない」とケロリ。8月21日の前回ヤクルト戦ではバレンティンと畠山に被弾して5失点の自己ワースト。きっちりとやり返した。

シーズン序盤は経験不足からばたつく場面も多かったが、今は堂々たるマウンドさばき。「無駄な四球を出さなくなってきたのが大きい。最初はコーナーをきっちり狙わないといけないという意識だった。今は割とアバウトに」。ストライク先行を心がけて結果が出ている。

7回からは一岡、フランスア、中崎へと無失点リレーがつながった。ビジターでの6連勝について緒方監督は「打って勝った試合もあったが、今日みたいに救援陣がしっかりした投球を続けてくれた」とブルペンの踏ん張りをたたえた。アドゥワはチームへの貢献について「少しだけそういう感じはある」と頬を緩めた。196センチはエルドレッドと並んでチームで最も長身。無限の可能性を示しているようだ。【大池和幸】