逆転でのCS2位通過へ、阪神金本知憲監督(50)が「ラストスパート」を宣言した。7日セ・リーグの追加日程が発表され、月末から最大15連戦の可能性がある13連戦が決定。過密な残り28試合に命運をかける。指揮官は6日の広島戦で右ふくらはぎの張りを訴えて途中交代した糸井嘉男外野手(37)を、今日8日からの巨人2連戦(甲子園)以降も積極的に先発させる考えを明言。まずは菅野撃ちを景気付けに連勝し、3位を奪回する意気込みだ。

最終コーナーを回れば、あとは全速力で駆け抜けるだけだ。首位広島に2勝1敗で勝ち越し、4位ながら手応えがある。今日8日からはCS圏内を争うライバル3位巨人との2連戦が待ち構える。広島から帰阪した金本監督は先読みしつつ言った。

「上(上位)を狙っていくうえでは、直接やって勝つのが理想だけど、いまはそうも言っていられない。ラストスパートやから」

持てる手駒をフルに生かし切る。手負いの糸井も用兵に計算している。前日6日の広島20回戦(マツダスタジアム)の5回、右前タイムリーを放った直後、一塁をオーバーランして戻った際に右足ふくらはぎの張りを訴え、途中交代していた。指揮官は「大丈夫と思う」と説明したように軽症の見立てだが、6月30日ヤクルト戦で死球を受けて右足腓骨(ひこつ)を骨折した経緯もあり、回復ぶりを案じた。

「(7日朝時点では)報告は聞いていない。どうやった? 今日、普通に歩いてた? 心配やけどね。あの骨折以来、ずっと足に負担が掛かっているから」

糸井の様子からは異変は見られなかった。足を引きずるでもなく、普段通りに歩いた。胸突き八丁の戦いに入っており、背に腹は代えられない。今日8日は菅野が先発し、4番糸井の継続起用を示唆した。「頑張ってもらわないとね。残り28試合。何とか少々無理してでも出て欲しいわね、こっちは」。今季は菅野と4試合対戦して2勝2敗だが3完投を許して防御率2・18と苦戦している。糸井は菅野に今季対戦打率2割だが、5月25日は右翼へ決勝アーチを見舞った。刺客として欠かせず、先発起用の見通しだ。指揮官は言う。

「甲子園で菅野、だいたいキツイな。キツイけど、そこを何とか打破してほしいよね。しっかりと、やられている自覚を持って、やり返してほしいですね」

逆転でCS進出を果たす足掛かりにしたい。理想は甲子園で開催できる2位突破だろう。この日、NPBから追加日程が発表され、9月26日DeNA戦以降、10月8日ヤクルト戦まで13連戦が確定した。23日巨人戦が雨天中止なら最長15連戦になる可能性もはらむ。雨がもたらす試練も、糸井を欠かさない総力戦で乗り切る構えだ。【酒井俊作】