日本ハムは8日、北海道胆振東部地震の発生後、最初の公式戦となった楽天20回戦(楽天生命パーク)に臨んだ。先発上沢が3回9失点と崩れ、打線は4点を奪うのが精いっぱい。主導権を奪われたまま敗れた。11日からのロッテ2連戦(札幌ドーム)の中止も決定。まずは9日、白星を北海道に届けたい。

先発上沢が思わずうなだれた。2回2死一、三塁。ウィーラーに左翼席へ3ランを浴びた。この回一挙8失点。3回にも1点を失うなど、3回8安打9失点で黒星を喫した。「特別な登板になる」と気合は入っていた。ただ、満足な調整が出来なかったことも事実。「『気持ちが入っていないボールは投げないように』と思っていた。力不足」。気力でカバーしたかったが無念の結果に終わった。

チームも満足な調整が出来ないまま3日ぶりの試合を迎えていた。札幌市内に自宅がある主将の中田も、前夜まで停電。風呂も入れず、ウエットティッシュで体を拭くことしかできなかった。前日7日に「コンちゃん(近藤)の家で入らせてもらった」。チームの誰もが食事もままならなかった。必死にプレーしたが、結果だけが伴わなかった。

11日から札幌ドームで予定されていたロッテ2連戦の中止も決まった。同球場で試合中止となるのは、04年9月の球界再編問題に伴うストライキ以来となる。中田は「いろんなことを踏まえての判断だと思う。苦しんでいる人たちがいる。当たり前」と受け止めた。中止となった2日間のチーム予定は調整中だ。栗山監督も「生活に困るほど計画停電とかいろいろあるなかで、生活されている人のことの方が重要。一番いい形にしていただくのがいい」。全てを受け止め、残り試合へ向けては「(戦う)姿を見せながら、しっかり勝ちきっていくというのが重要になってくる時期。本当に申し訳ない。明日からしっかりやります」と話した。首位西武が敗れ、ゲーム差は5・5のままだ。【木下大輔】