日本ハムが全員の思いを1つにして逆転優勝へリスタートした。

3-1の9回2死。中堅西川が飛球を捕球すると、栗山監督は「ヨッシャー」と叫び、かしわ手を打った。6日未明に発生した北海道地震から2戦目での白星。「少しでも(北海道の被災者に)喜んでもらいたいと何とかしようと、みんなの気持ちが勝ちにつながった」と言った。

中田が勝利への執念を体現した。初回1死一、三塁で先制犠飛を放った。プロ野球記録まであと3本となる歴代2位のシーズン12本目の犠飛に「ハルキ(西川)やコンちゃん(近藤)が楽な状況を作ってくれたので何とかしたいと思った。あそこは犠牲フライを狙って打った」。5回にはダイビングキャッチを試みてユニホームを泥だらけにし「僕らの試合で、どこまで勇気が与えられるか分からないけど自分たちには野球しかない。試合を見ているどころじゃない人もいるかもしれないけど、勝って良かったね、という試合をしたい」とチームの思いを代弁した。

今回は選手も被災した。試合に臨むことに戸惑いを見せる選手もいた。さまざまな思いを抱えながら、プロ野球選手としての使命を全うすべく全力を尽くしている。栗山監督は「こういう時に何とか勝たなきゃいけないという思いが、勝ちにつながったのは間違いない。そういう選手たちであってくれることがうれしい」。残り21試合。首位西武とは5・5差。日本ハムは力強く、戦い続ける。【木下大輔】