あるぞ! 「伝統の一戦」の先発マウンド。阪神浜地真澄投手(20)が巨人とのファーム日本選手権(6日・KIRISHIMAサンマリンスタジアム宮崎)の先発候補に浮上した。矢野2軍監督が明日2日のBCリーグ選抜との練習試合で登板予定の馬場、竹安とともに名前を挙げた。

矢野2軍監督の言葉に大きな期待が込められていた。「(ファーム日本選手権に)投げさせたいと思ってるよ。その2人(馬場、竹安)プラス、浜地。あとは中継ぎで頑張ってきたみんな。若いやつにはそういう舞台を経験させたい」。明日2日の練習試合に登板予定の2投手とともに、高卒2年目右腕、浜地の名を加えた。

浜地は腰痛が癒えた今季は6月に約10カ月ぶりの実戦復帰。そこから階段を着実に上がってきた。8月29日のウエスタン・リーグ中日戦(鳴尾浜)で公式戦初先発。最速148キロの直球を武器に6回3安打無失点と好投し、視察した金本監督を「いいねー。先発タイプでしょ。楽しみやね」とうならせていた。9月11日の同オリックス戦で2度目の視察後も「素晴らしいな」とコメント。矢野2軍監督も「真っすぐの質は1軍に行っても通用する。今年のうちに上で投げるチャンスがあるかもしれない」と太鼓判を押していた。

期待の右腕は、勝てば優勝が決まる9月21日のウエスタン・リーグのソフトバンク戦(甲子園)で先発を託された。だが、コラスに2ランを被弾するなど2回3安打3失点。さらに右手中指のまめがつぶれ、不完全燃焼のまま降板した。それでも9試合で3勝1敗1セーブ、防御率1・00は好成績だ。

阪神と巨人がファーム日本一を懸けて戦うのは初。そんなマウンドを任されれば、燃えずにはいられない。「この前は甲子園で情けないピッチングだった。リベンジじゃないけど、そういう舞台で投げたい。ずっと取り組んできたことが出来つつあるし、いい舞台なので次につなげられたら」とチャンスをうかがう。大舞台の先には初の1軍マウンドが見えてくる。【吉見元太】

◆浜地真澄(はまち・ますみ)1998年(平10)5月25日生まれ、福岡県出身。福岡大大濠から16年ドラフト4位で阪神入り。昨季はウエスタンで6試合に登板し1勝1敗、防御率6・00。実家は約150年続く老舗の酒蔵。目標とする投手は藤川球児。185センチ、89キロ。右投げ右打ち。