西武伊藤翔投手(19)がプロ初先発で白星をつかんだ。最速148キロの直球を軸にスライダーとカーブを織り交ぜ、家族が見守る地元の千葉で力投。5回2/3を7安打5四球で3失点にまとめ3勝目を挙げた。先発初勝利に「最高です。中継ぎで勝ちが転がってくるのと、しっかり投げきって勝つのは違う」と喜んだ。

2年連続で優勝しながら、未成年のためビールかけに参加できなかった。四国IL・徳島に所属した昨年は、独立リーグのグランドチャンピオンシップで優勝。最優秀選手賞を獲得したが、大雨の中で炭酸水を浴びただけ。今年も参加できず特設テントの外で待機した。「しょうがないです。来年も優勝できたら入れますもんね」と笑った。

プロの厳しさを知る恩師の言葉を胸に、腕を振った。1年目ながら中継ぎで15試合に投げ2勝、防御率2・18と結果を残した。しかし徳島で指導を受け、元西武コーチでもある鈴木康友氏から「1勝、2勝で終わる投手は腐るほどいる。満足するなよ」とメッセージが届き「男は結果で」との思いが強くなった。「もっと投げ込みをして、どのポジションでもいけるように」と誓った。【保坂恭子】