いくぞタカ狩り! セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)を突破した広島は、2年ぶり出場の日本シリーズ(27日開幕)でソフトバンクとの対戦が決まった。初戦の先発が濃厚な大瀬良大地投手(27)は21日、マツダスタジアムでの全体練習に参加。苦手相手に日本シリーズ初先発となるが、好投でチームに流れをつくる。

大瀬良は対戦が決まったソフトバンクについて「すごい打線」と率直な印象を語った。「長打があるし、嫌らしい攻撃をできる選手がそろっている。そういった攻撃をさせないように。走者をためて4番に回さないようにしたい」。4番柳田を中心とした、粘っこい相手に警戒を強めた。

「ソフトバンクには通算で打たれている」と認める。今年の交流戦(6月15日)は4回KOで今季ワースト7失点を喫した。27度の先発で唯一、5回以内に降板した試合だった。またプロ1年目の14年には1回0/3で10失点など過去3度すべてに失点。明らかに苦手だが、気にしても仕方ない。「振り返るより、次に向けて状態を整えたい」。最多勝と最高勝率の2冠に輝き、巨人とのCSファイナルでも好投。積み上げた自信を示せるチャンスでもある。

日本シリーズは初先発となるが、2年前の日本ハム戦では中継ぎで2試合に投げた。「CSも(公式戦と)違うが、日本シリーズは何もかも違う雰囲気だった」。第3戦に同点の9回から登板。延長10回に大谷にサヨナラ打を浴びた。「あの時はかなり緊張していた。経験があるので今回に生かしていきたい」と糧にする。

全体練習が再開したこの日はブルペンで35球を投げた。前回17日の巨人とのCSファイナル初戦は6回1失点ながら、力みすぎて「バランスが良くなかった。開きも早かった」と映像を見て反省。「次も気持ちの高ぶりは来ると思うけど、できるだけ落ち着いて入りたい」と話した。

相手が決まり、緒方監督も「本当にすごい打線だね」と警戒した。リーグ3連覇を果たし、CSも無敗突破。12球団で最も日本一から遠ざかっており、34年ぶり頂点はチームの悲願だ。エースに成長した大瀬良が強力打線をねじ伏せ、勢いをもたらす。【大池和幸】