今日25日に開かれるプロ野球ドラフト会議(東京)で、新潟医療福祉大の漆原大晟投手(4年=新潟明訓)が指名を待つ。大学生活最後の関甲新学生野球1部秋季リーグ初戦(9月1日)の関東学園大戦で16奪三振、完封を演じた剛腕。20日の最終戦でも関東学園大に完投勝利(5-2)を挙げ、リーグ1部残留を決めた。プロ7球団が興味を示した右腕は胸を高鳴らして、その時を待つ。

漆原は期待と不安が、ない交ぜの複雑な表情で運命の瞬間を待っている。「楽しみな半面、不安もある」という自信と弱気が交錯する心の揺れは指名されるまで終わらない。20日には大学生活最後の登板を勝利で締めた。降雨で流れていた関甲新学生秋季リーグの関東学園大戦を5-2で完投し、最終戦で1部残留を決めた。新潟医療福祉大は秋季3勝の5位だったが、漆原はチーム勝利数と同じ3勝を遂げた。

「プロ野球選手は小さい頃からの夢」。その思いが実現するかどうかの長い1日が今日25日に始まる。持ち味は最速151キロの直球。大学1年時の秋季リーグ・関東学園大戦で決めた11連続奪三振は1試合でのリーグ最多連続記録だ。大学最後の秋季リーグの初戦・関東学園大戦では16三振を奪って完封勝利。「爆発力がある」とまな弟子を評した佐藤和也監督(62)は続けた。「速い直球を生かす変化球の使い方が、ようやく少し分かってきた。伸びしろは、まだある」。

2年先輩の笠原祥太郎投手(23=新津)が16年ドラフト会議で中日に4位指名された時から、プロ入りが明確な目標になった。「新潟の地からプロの世界へ、自分も行きたいと思った」と言う。13年創部の若いチームから早くも2人目のドラフト候補輩出。「小さい頃から野球が好きで、うまくなりたい、勝ちたいという一心でやってきた」という奮闘を、プロのステージでも続けられることを熱望した。【涌井幹雄】

◆漆原大晟(うるしはら・たいせい)1996年(平8)9月10日、燕市生まれ。野球は粟生津小2年から始め、吉田中時代は三条リトルシニアに所属。新潟明訓高に進み、1年夏の甲子園ではベンチメンバー入り。高3夏の背番号は11。182センチ、83キロ。右投げ左打ち。血液型B。