駿河総合(静岡)出身の三菱重工広島・杉山一樹投手(20)が、ソフトバンクから2位指名された。身長193センチで最速153キロを誇る本格派右腕が評価された。

指名から約4分後の午後6時16分過ぎ、193センチの杉山が、胸を張って会見場に入り、笑みを浮かべた。

「すごくホッとしています。理想は『先発完投』。まだまだ通用するレベルではありませんが、いずれはチームに貢献できるようになりたいです」

静岡東中時代は軟式で外野手。2013年統合の駿河総合に1期生として入学し、本格的に投手を始めた。既に190センチを超え、高3冬に最速150キロをマーク。プロ注目株だったが、「将来的に長く野球をやりたい」とプロ志望届は出さず、社会人野球の強豪、三菱重工広島に入った。1年目から公式戦に登板。3年目の今年7月は、JR西日本の補強選手として都市対抗に出場。JR東日本戦で最速153キロを記録し、さらに評価を上げた。

その当時、杉山の目に飛び込んできたのが、掛川市出身で、昨年ドラフト1位で中日入りした右腕鈴木博志投手(21)の姿だった。「(高校時代は)全く知りませんでしたが、たまたまユーチューブで見ました。直球で押すのは自分と同じスタイル。鈴木さんの(最速)157キロは絶対に超えたいです」。またソフトバンクには、同学年で日大三島出身の小沢怜史投手(20)もおり、「高校時代は遠い存在でしたが、何かの縁ですかね。同級生がいるのは心強い」と話した。

プロでの目標を問われると、「いろいろと吸収したいので」と、色紙に「吸」と書き込んだ。夢の舞台へ、大きな1歩を踏み出した。【鈴木正章】

◆杉山一樹(すぎやま・かずき)1997年(平9)12月7日、静岡市生まれ。千代田東小3年から野球を始める。静岡東中では外野手。駿河総合では2年秋の県8強が最高。三菱重工広島3年目の今年は、JR西日本の補強選手として都市対抗出場。右投げ右打ち。193センチ、92キロ。