開幕投手はみんなで争え! 阪神矢野燿大監督(49)は秋季キャンプ休日の9日、来季の開幕戦となる3月29日ヤクルト戦(京セラドーム大阪)の先発投手をまだ決めていないことを明かした。今季4年連続5度目の開幕投手を務めたメッセンジャーが大本命になるが、岩貞、秋山、藤浪らにも大役ゲットのチャンスはありそうだ。

さすがのメッセンジャーも、今回は出来レースとはいかない。矢野阪神1年目の開幕投手切符は誰の手に-。新指揮官は「まったく考えてもいなかった」とした上で「白紙!? それはそうやろ」とサラリ。白熱したレースを思い描いた。

「オレが、という選手が出てきてくれてもいいし、楽しみやね。どんどん出てきてくれたらいい。その方が競争になっていいしね」

大本命はメッセンジャーになる。今季も4年連続5度目の開幕投手を務めて貫禄十分。先発に本格転向した11年からの8年間で7度も2ケタ星をクリアしている。すでに単年契約の残留で合意済み。ただ、誰もが認めるエースも19年は38歳になる。今年9月には、珍しく右肩の不調を訴えて戦線離脱も経験。過度の負担をかけたくない事情がある。

対抗馬には岩貞、秋山の名前が挙がる。岩貞は今季先発23試合で7勝、防御率3・48と復調を遂げ、日米野球でプロ初の侍ジャパン選出も果たしている。来季28歳シーズンという年齢もあり、すでに矢野監督から「先発を引っ張っていってもらう立場にもなってくる」と指名されてもいる。一方の秋山は昨季12勝から今季5勝と大幅に白星を減らしたが、シーズン終了直後に「右膝のクリーニング術」を終えて大黒柱返り咲きを計算される立場だ。

もちろん、完全復活を期待される藤浪も候補の1人に違いない。今季終盤に制球難克服を印象づけ、かつての輝きを取り戻しつつある。他にも大穴には若虎の小野、才木らが控える。韓国・斗山のリンドブロムらが獲得候補にあがっている新外国人投手も、沖縄キャンプから実力を披露すれば可能性はゼロではない。

新指揮官は「最終的にはオレが誰にするか判断しないといけない」と言った。3・29ヤクルト戦。まっさらなマウンドを懸けた久々のガチンコ対決は、もう始まっている。【佐井陽介】